Bad and bed(後編/ヤムチャ目線)
信じられんことをするやつらだ。本当に信じられん。
…だが、俺は信じたい。そうさ、信じたいんだ。
よし、信じるぞブルマ!


俺がC.Cに帰ると、悟空とブルマが仲良く1つの布団に包まっていた。

わけがわからない?俺だってわからないさ!そうだな、ここは1つ落ち着いて、状況を整理してみようじゃないか…

…この日、朝になってもブルマは起きてこなかった。俺がブルマの部屋へ行ってみると、あいつはまだベッドの中にいた。
熱がある。顔色も悪いようだ。医療ボットの診察では何も問題は見つからず、どうやら過労だろうということになった。
だが、俺はあいつについていてやるわけにはいかなかった。野球の仕事があったからだ。今日のゲームは宿命の対決とも言うべきカードで、主戦力の俺が休むわけにはいかないのだ。
俺はできるだけ早く帰る約束をして、ブルマの額にキスをした。
そして夜、俺がC.Cに帰ると、悟空とブルマが仲良く1つの布団に包まっていた…

…やっぱりわからない。一体どうしてそうなるんだ。俺、何か悪いことしたか?


俺がブルマの部屋に一歩を踏み入れると、あいつらはたじろぎもせずに言った。
「ヤムチャおかえり、早かったのね」
「おっす!」
おっす、じゃねーーー!!
何なんだおまえら。どうしてそう平然としていられるんだ。少しは動じてみせたらどうなんだ!
だいたい、大の大人が一緒の布団にいるなんて、何の言い訳もたたないところなんだぞ!寝ているならまだしも――いや、寝ていたってやはりダメだ――普通そういうことするか?ああ、服は着ているな、着ているとも…今はまだな。ってくそ、考えたくもないことを考えるな俺!
「悟空!」
俺はビシリと悟空を指差し言った。
「おまえが非常識なやつだということは知っている…嫌というほどにな。だがな、俺だっていつまでも前座に甘んじているわけにはいかないんだ!」
ブルマと悟空は、揃って気の抜けた声を出した。
「前座?」
「何言ってんの、あんた」
しらばっくれるな!!
「男には負けるとわかっていてもやらなきゃいけない時があるんだ!くらえ、繰気弾!!」
「うぉっ、危ねえ!!」
悟空は即座に身をかわした。
「避けるな!!」
「無茶言うなよ」
俺はかめはめ波の構えに入った。悟空はそれを受け止めるべく、姿勢をとった。
「ちょっとちょっと、あんたたち」
ブルマが止めに入る。体は部屋の隅に寄せながら。俺は構わず気を集め続けた。
「波ーーーーー!!!!!」


小一時間後、俺と悟空は雁首揃えて、大破した部屋の中央に正座させられ、ブルマにこっぴどく叱られていた。…ブルマ、おまえ元気じゃないか。
悟空はチラリと俺を横目で見やり、迷惑そうに呟いた。
「ヤムチャが技なんか使うから…」
「何だと悟空、もとはといえばおまえが」
俺と悟空は罪を擦りつけあった。気がつけば、怒りに燃える青い瞳が背後に迫っていた。
「やっめなさーい!!!」
雷が落ちた。
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