Made happy(後編/ヤムチャ目線)
なんということだ。


ブルマと悟空のその姿をひと目見た時、俺は思わず口走っていた。

「おまえら、それ何のプレイだ?」

愕然とした。なんということだ。俺にも免疫がついてきてしまっている。
俺はノーマルなのに。ノーマルだったはずなのに!
「プレイって何だ?」
頓狂な悟空の声で、俺は我に返った。
「あ…あぁ…い、いや!何をしているのかと訊いたんだ」
いつになく勢いのない俺に、ブルマが答えた。
「この前の事故の弁償よ。体で払ってもらうことにしたのよ」
…体で!?
い、いや、そうじゃない。体で払うというのは、この場合は労働のことだろう。事実、悟空は掃除をしているようだし。
って、その衣裳でか!?
その、レースふりふりエプロンドレスでか!!

あっぶねーーー!!

ということは、俺もあやうく、あれを着せられるところだったのに違いない。
俺は、自分が野球選手をやっていたことを神に感謝した。


…それにしても、ブルマがかわいい。
黒いパフスリーブのミニスカートワンピースに、悟空と揃いのエプロンドレスをつけて、レースのついたサイハイソックス、足元はロッキン・ホース・バレリーナ、ヘッドドレスまで抜かりなく――(黙っていれば)人形みたいだ。
なんか今日は俺、ツイてるな…何かのフラグじゃなければいいのだが。


夜もとっぷり更けた頃、ようやく悟空の仕事が終わった。
悟空はいつもの3倍は飯を平らげて帰っていった。
空に消える悟空を見送ると、俺たちは部屋に戻った。

俺はその夜、ちょっと幸せになった。
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