2人はお茶で(後編/ヤムチャ目線)
ブルマが悟空の家に行ったと聞いて、嫌な予感がしたんだ。
近頃のあいつらはおかしすぎる。おかげで、俺までおかしくなってきやがった。
ここらでビシッと言ってやらにゃいかんな。ビシッと。

悟空の家を訪ねた俺に、チチさんは何の疑いもなく教えてくれた。あいつらの行き先を。
いや、疑ってはいたかな…俺とブルマのことを。おそらくケンカでもしていると思われているに違いない。
あなたのダンナが問題なんですよ、あなたのダンナが。
何度そう言ってやりたい衝動に駆られたことか。
言ってやればいいじゃないかって?
…うるさいな。

ほどなくして、カフェに到着した。俺はドアを押しかけた。
ドア越しにあいつらの姿が見えた。
周囲の客の視線を一身に浴びて、イチゴを争奪しあうあいつらの姿が。
ほとんど立ち上がらんばかりの勢いでスプーンを振りかざし、クリームを飛ばし、あまつさえ口からイチゴを吐き出すあいつらの姿が――

…おまえら、恥ずかしすぎるぞ。本来の意味でな。
悟空が身代わりになってくれて助かった…

「…帰ろっと」

俺はドアを閉め、踵を返した。
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