海処の女
最初にそのことに気づいたのは、傍らで共に遠泳していたクリリンだった。
「何してるんでしょうね、あれ」
視線の先にブルマがいた。あいつは俺たちよりいくらかビーチに近いその場所で、ひたすら潜水を繰り返していた。
「何か落としたんでしょうか?」
「落とすようなもの持ってないだろ」
どちらともなくブルマの方へ向かって泳ぎだすと、やがてあいつは何やら赤い物を手に浮上してきた。結構デカいな。あいつの手では片手に余るだろう。
思った通りブルマはそれを持て余したらしく、きょろきょろと周りを見回すと、それを水着の胸元に押し込み始めた。
おいおい。何を見つけたか知らないが、それはないだろう…
俺同様その行為に気づいたらしいクリリンが、泳ぐのを止め苦笑しながら呟いた。
「相変わらずだなあ、ブルマさん」
…おい、どういう意味だ、それは。
問い質そうとする俺の視界の片隅で、ブルマがビーチへ向かって泳ぎだすのが見えた。俺は慌てて後を追い、あいつからその物を取り上げた。

ブルマが持っていたのは貝だった。30cmにもなろうかという大きさの、ピンク色の巻貝。コンク貝というらしい。
その貝の中にぐるりとナイフを入れると、身に紛れて、貝と同じ色をした火炎にも似た模様を持つ小さな玉が1粒現れた。
「まあ、ピンク色なんですのね。かわいらしい」
「これって真珠っすか?」
ためつすがめつするランチさんとクリリンに、コーラを豪快に呷ってからブルマは答えた。
「そうよ。コンクパール。養殖不可能な貴重品よ。身は食べられるわよ」
そう言うと、食べ終わったばかりのバーベキュー串にその身を刺し、焼き網の上のホタテ貝の上に乗せた。
「貝殻自体も加工できるわ。アクセサリーにでもしてもらえばいいわよ」
他人事のように言うブルマに、クリリンが意外な面持ちを隠そうともせず訊ねた。
「ブルマさんはいらないんですか?」
「うん、興味ないから。滞在費代わりにあげるわ」
こいつ、気前だけはいいんだよな。金持ちの特権だな。
「だから、これもう1個ちょうだい」
ブルマは網の上で香ばしい匂いを醸しているホタテに手を出した。取引は成立した。


「よいか、武道というものは、人を殺傷する技術ではないのじゃ。その技を磨く稽古を通じて人格の完成をめざす、そして人生を豊かで実りあるものにする、それが武道の…」
そろそろ耳にタコができてきた。
煩悩の結果による創傷を一身に浴びて、武天老師様は武道家の本分に立ち返ることにしたらしい。ビールによるループ効果の加わった説教に、俺はかれこれ1時間程も付き合わされていた。
昼食を食べ終え、どうやら少々ヒマを持て余したらしいクリリンが、俺に声をかけてきた。
「ヤムチャさん、代わりますよ」
「…ああ、頼むよ」
こういう時、弟子が2人いるというのは便利だ。
1つ2つ首を鳴らし、ビーチチェアに横になる俺をプーアルが迎えた。
「お疲れ様です、ヤムチャ様。大変ですね」
「これも弟子の務めさ」
そうさ。それに、ナンパに付き合わされるよりは、遥かに健全だ。最も今回はウーロンがいるので、俺たちにその任は回ってこなさそうだが(助かった)。
俺とプーアルが四方山話に花を咲かせていると、なぜか足音を忍ばせてブルマが近づいてきた。
「ねえプーアル、ちょっといい?」
まるで内緒話でもするように、声を顰ませる。他人に言えないことなのか?
「背中にオイル塗ってほしいんだけど」
何だ、そんなことか。
「はい、いいですよ」
プーアルは笑って即答した。やれやれ、おまえもすっかり使われているな。
プーアルにサンオイルを手渡すと、ブルマは俺の隣のビーチチェアに腰を下ろした。うつ伏せに横たわり、首筋の髪を掻き分ける。なんの気なしにそれを見ていた俺の前で、水着の紐を解きだした。
お、おい。
俺は思わず言葉にならない声を漏らした。
「何?」
「い、いや、何も」
ブルマは不思議そうに俺の顔を一瞥すると、解いた紐をチェアの側面に垂らした。俺は目を逸らした。
あー、まいるなあ。
ここは海だ。ブルマのしていることは、何ら咎められるようなことではない。でも、だからこそまいるよなあ。
俺はいつかのブルマの言葉を思い出した。
『悶々としてるわね』
ったく、そうさせてるのはおまえなんだよ。
溜息をつきかける俺を尻目に、プーアルはきびきびとオイルを塗り始めた。…おまえ、冷静だなあ。型が違うと何も感じないものなのかな。
俺がプーアルの生態に思いを馳せていると、違う角度から、だが同ジャンルの質問が投げつけられた。
「ねえ、プーアル。あんた、毛皮脱ぎたいとか思うことない?」
「は?」
ブルマの言葉に、俺は思わずプーアルと声を揃えた。毛皮?それって体毛のことか?
「あたしトリミングしてあげようか?」
トリミング?おまえがそんなことを言うなんて珍しいな。
気づくと、プーアルが怪訝そうな目で俺を見ていた。いや、俺にもわからないよ。一体どういう風の吹き回しなんだろうな。
俺たちは小声で囁きあった。
「おまえはどうしたいんだ?」
「ボクはあまり…」
「じゃあそれでいいじゃないか」
「でも…」
断りにくいといったところか。
「大丈夫。ブルマだって、まさか嫌がってるのに無理矢理切ったりはしないさ」
そう願おうじゃないか。
その時だ。ブルマが大声を出したのは。
「眠ッ!!」
あまりの唐突さに、俺は反射的にブルマを見た。そして固まった。あいつは、上半身生まれたままの姿で、身を起こしていた。俺は釘付けられそうになる目を、慌てて逸らした。
…ヤバイ。また見てしまった。
不可抗力、不可抗力。不可抗力だ、今のは。不可抗力…
呪文を唱え続ける俺の耳に、妙に高ぶったブルマの声が入った。
「あ〜、危なかった!今、うっかり寝るところだったわ…!!」
言いながら水着を直すブルマは、案外平然として見えた。おそらく眠気のせいだろう。こいつ、眠い時はほとんど頭が働いていないからな。…いいな、その体質。
「寝ればいいじゃないか」
俺は努めて平静を装った。不可抗力だ、今のは。
ブルマはまるで心外だという顔つきで、俺を睨みつけた。
「何言ってんの。こんな危険な状況で寝られるわけないでしょ!」
そして、武天老師様とウーロンの両人に視線を投げつけた。
…なるほど。昨日何があったのか、なんとなくわかってきたな。おまえ自身の無防備さのせいなんじゃないかという気も、同時にするけどな。
「あ〜〜」
ブルマは軽く頭を掻き毟ると、おもむろに立ち上がった。
「泳いでくるわ」
俺は眉を顰めた。
正気か?おまえ、そんなに眠いのに?
泳いでいる間に寝るんじゃないか?目を覚ますどころか、一生開かなくなるのがオチなんじゃないか?
俺は自分の思いを余すところなく伝えた。
「止めとけ。おまえはここで大人しくしてろ。疲れてるから眠いんだろ。おまえ、さっきさんざん泳いだからな。そんな状態で泳ぎに行くやつがあるか。俺が見ててやるから、ここで寝てろ」
ちょっとくどいかな。でも、そんなに厳しいことは言ってないよなあ。それにこいつは今眠くて頭が働いていないんだから、もし気分を害してもきっと忘れてくれるだろう。
だが、ブルマは俺の言葉にはまったく聴く耳を持たず、ただ一言こう言った。
「放っといてよね」
そして舌を出しながら、捨て台詞を吐いてみせた。
「言っとくけど、ついて来たら承知しないわよ。べーだ」
やれやれ。しょうがないなあ。
ブルマがさっさと海へと行ってしまうと、ウーロンが呆れたように呟いた。
「おまえら、こんなところまできてケンカするなよな…」
「ケンカじゃないさ」
苦笑しながら俺は答えた。
こんなのケンカのうちに入らないさ。俺たちにとってはな。

「…あいつ、どこまで行くんだ」
本日2回目のその台詞を、俺はまたもやビーチチェアの上で呟いた。
ブルマの泳ぎはのんびりとしては見えたが、ビーチへ戻ってくる気配はまったくなかった。眠気覚ましにも程がある。ふと、あいつの前方に小さな島があることに気づいた。
あいつ、まさかあそこまで泳ぐつもりじゃないだろうな。どう見ても軽く半kmはあるぞ。戻ってこられないんじゃないか?
まったく、本当にあいつは…
立ち上がり水辺へと歩きかける俺に、ウーロンが言った。
「おまえ、本っ当に苦労症だなあ」
「…ああ、俺もそう思うよ」
あいつのせいだよ。本当にあいつはなあ…
俺は頭を掻いた。


俺はブルマを見失った。ビーチから400mは泳いだだろうか。
周囲を見回しても人の気配はない。これはいよいよ、さっきの島へ行ったかな。
俺は島へと体を向けた。その島は、島というよりほとんど岩の塊だった。俺の泳ぎ着いた先は高さ5m程の切り立った崖で、岩の他に草木などはまったく見当たらなかった。
…まあ、登って登れないということもないかな。俺が思案していると、崖の右手、数十mばかり行ったところに、2、3のサーフボードが係留されているのが目についた。
ふーん。人が来るのか。なら安心かな。
ボード脇の岩場がややなだらかになっているのを見てとって、俺は水から上がった。足場を選び選び上へと登っていくと、最上部の獣道めいたところ(たぶんサーファーや釣り人によって作られたと思われる)を人が駆けていくのが見えた。複数人だ。先を行くのは菫色の髪の…
ブルマ?
ブルマは先の崖の方へと駆けていった。その後ろを2、いや3人の男が追っていく。何をやっているんだ?
俺は急ぎ岩場を登りきった。崖の切っ先で逡巡するブルマの姿が見えた。ついで男が差を詰める。俺が状況を理解したその時、海へ逃げるべくブルマが一歩を踏み出した。
バカ!そんなところから飛び込むな。下は岩場だ!
間一髪、追いついた男があいつの命を救った。髪を引っ張られて、ブルマは生の縁へと後退した。だが感謝の念が湧き起こるわけもない。俺は駆け、素早く男の懐に入り込むと、その片腕を捻り上げた。髪を掴んでいる拳を力ずくで開けた。開放されたブルマの体が、反動で宙に浮いた。
「おっと」
俺は片手でブルマの体を支えると、再び生の縁へとあいつを引き戻した。ブルマはここで初めて俺の存在に気づいたようだ。その唇が何か言いかけた。だが俺の耳に入ってきたのは、別の人間の声だった。
「何だ、おまえは!?」
男が3人、寄り集まって俺を睨みつけていた。
「こいつの男だ」
わかったらさっさと向かってこい。このクズ共が。
海に免じてやる気など、今の俺には毛頭なかった。当たり前だ。
「やろうってのか!?」
「当たり前だろ」
やられずに済ませられると思うのか。
俺は自分が罪人にならない範囲で、思い切りやつらを痛めつけてやった。
当たり前だろ。

クズ共を島から叩き出し、ブルマから事の経緯を訊きだすと、俺は崖の手前に腰を落ち着けた。ブルマはというと、気丈にも涙ひとつ見せず、俺の前に立っていた。
そうだな。おまえは確かに気は強い。その態度は尊敬に値するよ。だが…
「まったく、えらく遠くまで泳いでいくから来てみれば…俺が来なかったらどうなってたと思ってるんだ」
前半部分を特に俺は強調した。こいつに非がないことはわかっている。今のは絶対的に相手が悪い。だが、こいつの無茶も遠因だ。
「本当におまえはトラブル体質というか」
これも、本人にはどうしようもないことなのかもしれない。だがせめて自覚して、多少なりと回避行動を取ってくれないものか。
ブルマは何も言わなかった。おまえのことだぞ。ちゃんと聴いているのか?
「どうしていつもそうなんだ。もう少し大人しくしていられないのか」
せめて手の届く範囲で行動してくれ。頼むから。
今回は本当に運が良かったんだぞ。なんの気なしにおまえを追いかけていなかったら。もし自分が苦労症でなかったら…そう考えただけで、俺は心の芯が冷えた。どんどん寒々しい気持ちになっていくのがわかった。
「…ちょっと、何よ。その言い方」
ブルマが口を開いた。俺の冷えた心とは対照的に、その口調は熱を帯びていた。
「偉そうな口利いてくれるじゃない。だいたい、悪いのは向こうでしょ。あたしは被害者なのよ。何であたしが説教されなきゃいけないのよ」
偉ぶってなんかいないだろ。むしろその対極だ。おまえは俺の話を本当に聴いていたのか?
「朝のナンパにしたってそうよ。何であたしが文句言われなきゃいけないのよ」
俺は溜息をついた。
「文句じゃないだろ。俺はただ心配を…」
そうだよ、心配なんだよ。当たり前だろう。わかってくれよ、頼むから。
だがブルマの言葉は、俺の心を弾いた。
「どこが心配よ。あんたのはただ口煩いだけじゃない」
俺は絶句した。この言葉は俺の心を刺激した。さすがの俺も、かちんときたぞ。
…おまえ、助けてもらっておいて、その態度は何なんだ。礼の1つくらい言えないのか。本当に、俺がいなかったらどうなっていたと思っているんだ。おまえこそ、俺に助けられて当然と思ってるんじゃないのか?冗談じゃないぞ。
とはいえ、俺は口に出してはこう言った。
「ケンカは後だ。とにかく帰るぞ」
こんな嫌な場所はさっさと去ろう。話はそれからだ。
しかし、ブルマは俺のこの言葉も突っぱねた。
「あたしは帰らないわよ」
…まったく、何なんだおまえは。まったくもって話にならん。
俺は今やブルマに、かつてないほどの怒りを覚えていた。
「勝手にしろ」
気がつくとそう言い捨てて、崖を飛び降りていた。あいつは止めなかった。

海に体を投げ捨てて、俺はすぐに我に返った。先に湧いたあいつへの怒りはすでに薄れ、心配へと取って変わっていた。
甘いか?でも、しょうがない。それが俺の本分だ。
俺はブルマの目に触れないよう、島へと戻った。あいつは崖に足を投げ出して座り込んでいた。俺はブルマを見上げるその位置に、あいつからは見えないよう岩に身を隠して、腰を下ろした。
あいつは、俺の消えた波間をきつく睨みつけていた。いつもの強気な表情で。
空の青さが変わっても、それは変わらなかった。陽が落ち空が桃色に染まり始めても、それは変わらなかった。
俺は呆れた。

おまえ、いつまでそうしてるつもりなんだ。そんな目立つところにいて、さっきのようなやつらがまたやって来たらどうするんだ。そこに俺はいないんだぞ。本当にどうするつもりなんだ。
まったくおまえは、強情で強気で自分勝手で我がままで、扱いにくいにも程がある。
それなのに、何で俺は放っておけないんだ。

水平線に夕陽がかかった。あいつの視線がそれに移った。その表情はどこかぼんやりとして見えた。
…ちょっとは怒りが治まってきたかな。

静かな空気の中を、俺は静かに歩いて行った。ブルマの背中を見た途端、最近の俺の常套句が自然と口をついて出た。
「…まったく、おまえってやつは」
あいつは無言で立ち上がった。俺の姿を認めると、やはり無言で睨みつけた。
まったく、怖いんだからな、おまえは。でも…
「おまえは危なっかしすぎるんだよ」
俺は呆れとも諦めともつかない口調で言った。
「だから放っておけないんだ」
そうなんだ。おまえは危うげすぎる。だから目が離せないんだ。
俺はブルマの肩を抱いた。
本当にな。少しは手に合ってくれよ…

ブルマはどこか茫洋とした目つきで俺を見た。そして軽く俺の胸元に頭を傾げた。俺はブルマの髪に触れた。包み込むようにそれを撫でた。なぜかこの時はそれがふさわしいように、俺には思えた。
長いこと俺たちはそうしていた。ブルマがその一言を発するまでは。


「…レアメタル?」
言葉と共に、ブルマは俺から身を離しかけた。そして気づいた。
「ちょっとちょっと。ちょっとヤムチャ、手、離して」
…何だよ。
俺があいつの肩から手を離すと、ブルマはちょっと背伸びをした。そして俺の頬に軽くキスをした。その脈絡のなさに俺が驚いている隙に、あいつは俺の手をすり抜けた。そうして岩場の影にしゃがみ込み、白っぽい石を1つ摘みあげて、場違いな程の歓声を上げた。
「やっぱり。ベリリウムだわ、間違いない。こんな純度の高いの初めて見たわ」
「…何だそれは?宝石か?」
俺は訊きたくないけど訊いてみた。
「違うわよ。ベリリウム。レアメタルのうちの1つで、強度・伝導性・X線透過率・展性・延性いずれも高いすぐれものよ。こんなに純度の高いものって滅多にないのよ」
何が何やらさっぱりわからん。
だが、それが俺より大事なんだということだけは、よくわかった。しかも誤魔化しやがって。まったく、おまえは酷いやつだ。…俺、腐っちゃおうかな。
どうやらその石は1つだけではなかったらしく、ブルマは嬉しそうにその辺りの岩場を漁り始めた。俺は地面に胡坐を掻きながら、それを見ていた。
まったくおまえは、子どもなんだか大人なんだかわかりゃしない。というか、最近ガキっぽくなってきてるような気がするんだが、気のせいか?
「見て見て、5つもあったわよ」
俺の思惑など露知らず、ブルマは嬉しそうにその石を頬に当ててみせた。ああ、はいはい。
そしてふと俺の顔を見つめると、おもむろに言った。
「ちょっとヤムチャ、あっち向いてて」
「何するんだ?」
俺は嫌な予感がした。
「何って、持って帰るのよ。こんなの抱えて泳げないでしょ」
言うが早いかブルマは、ホルターネックの紐を弛めだした。俺はもう目を逸らすことも忘れて、怒鳴りつけた。
「そこに入れるな!!」
「うるさいわね!放っといてよ!」
おいおい。おまえ、それじゃ振り出しに戻っちまうだろうが!!
「絶対持って帰るんだから」
ああ、そうかよ。わかったよ。
放っとくぞ。もう放っとくぞ。本当に放っとくぞ!!
そう決心をして背中を向けた俺の耳に、新たな呟きが聞こえた。
「う〜ん、ちょっと痛いなあ」
知らんぞ、俺は。
「ま、暗くなってきたし、こっちでもいいかな」
こっち?
こっちって…おまえ、まさか。
俺は思わず振り向いた。…あいつはボトムの紐に手をかけたところだった。
「ちょっと、見ないでって言ったでしょ」
「お、おまえなあ〜…」
胸までは許す。嫌だけど許すから…そこだけは止めてくれ。


やはり無理だ。こいつを放っておくことは、俺にはできそうにもない。
だいいち沽券に関わるしな…
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